長野県南佐久郡佐久穂町八千穂クリニック/消化器内科/内科/小児科/人間ドック/職場健診/各種予防接種

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八千穂クリニック TEL:0267-88-3931
コラム
■癌告知のDON'T
医療タイムス投稿(1997.1.1)
投稿者:青木 幸範(当院院長)
村民ドック
杉村巌先生・松尾弘文先生(旭川)
村民ドック
甲信越内視鏡技師研究会
(1993年10月 新潟市)
 かつての村の名士(学校の先生、駐在さん、お医者さん)にも昔の姿はもうない。考え方の移り変わりもあるだろう、医師の乱造が拍車をかける…。
 人の体を扱うという特殊な仕事ではあるが、一般の人の見方は大変厳しい。ドクター・ショッピングという言葉が示すように、他のビジネスや商売と同様に競争の原理の中に置かれている。希少価値はもうないし、勿論偉いなんてことには縁がない。
 統計で処理したデータは両端の5パーセントは特別優秀であり、一方は箸にも棒にも掛からない、今回もこの一部の医師が問題なのである。
 癌の告知が話題になり始めた頃(100パーセント)の告知を目標にしているという医師の話を聞いた。明快な話は人に感銘を与えやすい反面、危険もかなり伴う。一般の人の告知希望が50パーセントとしても、余りに無理のある考えのように思えた。慶応大学の近藤医師の本の中にも告知の必要性が述べられているその割合は医師により当然様々なれど、50〜90パーセントとの記載である。医師の都合(治療がし易い等)で癌の告知が優先されるなどということは人権蹂躙である、と声を大にして私は言いたい。患者さんの権利こそ主にされるべきなのである。
 私が1年間で病院にお願いする癌患者さんは10名前後である。癌の告知に関しては全て病院の主治医に全幅の信頼を置いている。期待が裏切られることがあれば、自分の責任も半分と思い反省させられる。必要性のある癌の告知は否認する訳ではないが、地域の医者でいると最近特にこれで良いのだろうかと思う経験をしたり、話を耳にする。多くの例は進行癌である。胃カメラが終わり外来で医師が「手遅れの癌、手術はするかね、良くて…」、患者さんは手術を拒否してアルコール漬け、「進行肺癌であと6〜12ヵ月の命」などなど。医者に対しても当然患者さんが物を言う時代になり、共感というか同意の上で何事も行う必要性を感じます。
 日本医師会副会長が紙上でインフォームド・コンセントについて、その導入が性急すぎた、風土に合わない、旨の文章を見ました。地域の医者として困ること、患者さんの身になり、DON'Tについて…
 1.患者さんの告知に対する考えは…昔ながらの方法で確認しイエスの人が告知の対象に。
 2.場所はプライバシーの守れる所…外来や病室ではおかしいぞ。